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任天堂、半期は49%増益なのに「16%減益」? 期間をそろえると見える違い

「任天堂は増益」と「任天堂は減益」。11月5日の決算を巡る見出しは、反対のことを言っているように見える。営業利益を同じ期間でそろえると、4〜9月は49.1%増、7〜9月だけなら16.3%減。公式の2つの決算短信を引き算して確かめた。

2025年6月6日撮影のNintendo Switch 2本体の資料写真。画面は消灯しており、決算説明会や新作ソフトの画像ではありません。

2025年6月6日撮影のNintendo Switch 2本体の資料写真。画面は消灯しており、決算説明会や新作ソフトの画像ではありません。 Crisco 1492 / CC BY-SA 4.0

画像の出典・利用条件

Crisco 1492 / CC BY-SA 4.0。全体を比例縮小してWebP化。OGは白余白を追加。派生画像もCC BY-SA 4.0。切抜き・加筆なし。写真の派生画像も同じライセンスで提供。作品名:Nintendo Switch 2 in Handheld Mode.jpg。撮影時期・元画像は出典リンクで確認できます。

日本語要旨(編集部)任天堂は11月5日、4〜9月の売上高が前年同期比12.1%減、営業利益が49.1%増だったと発表。ソフト販売の構成比上昇や、第1四半期の関税還付を増益要因に挙げています。

会社自身の決算資料を、短い独自の日本語要旨と原資料へのリンクで紹介します。動画やSNS投稿の埋め込みではありません。 出典:任天堂(2027年3月期中間決算短信) ↗

「半年」と「3か月」を引き算で分ける

今回比べるのは、どちらも営業利益。売上高や最終利益と混ぜず、前年の同じ月と比べる。11月5日の中間決算短信の1ページ目は4〜9月の累計で、8月6日の第1四半期決算短信は4〜6月の累計だ。前者から後者を引けば、7〜9月の3か月分が分かる。

  • 4〜9月:2026年は2,165.00億円、前年は1,451.81億円。前年同期比49.1%増。
  • 7〜9月だけ:2026年は739.04億円、前年は882.53億円。前年同期比16.3%減(編集部計算)。

計算は、今年が2,165.00−1,425.96=739.04億円。前年が1,451.81−569.28=882.53億円。増減率は(739.04÷882.53−1)×100で、小数第1位に丸めた。短信の百万円単位の数値を使い、途中で億円の整数へ丸めてはいない。

つまり、半年間の合計では前年を上回っていても、その後半の3か月だけなら前年を下回る。「半期増益」と「四半期減益」は同時に成立する。どちらか一方の見出しだけで、この半年のすべての月が同じ方向に動いたと読むと取り違える。

4〜6月に入った関税還付も、半期に残る

決算説明資料の3ページによると、米国IEEPA関税の還付に伴い、第1四半期に約3億米ドルを売上原価の減額として計上した。会社は半期の増益要因として、ソフト販売が堅調で売上に占める割合が上がったことも説明している。

還付は4〜6月の数字にも4〜9月の数字にも入る。半期の増益率を、そのまま7〜9月の勢いとして使えない理由の一つだ。ただし、今回の引き算だけで「還付を除けば何%」と決めることはできない。為替や商品構成なども動いており、利益の差を一つの要因に割り振った分析ではない。

本体の台数とソフトの本数も、別々に読む

同資料の5ページでは、Switch 2の4〜9月の販売台数は649万台で前年同期比37.4%減。一方、対応ソフトは2,449万本で18.8%増だった。本体の販売台数が減ることと、ソフト販売が伸びることも両立している。

ここでいう販売は「セルイン」。任天堂グループからグループ外への販売で、法人への販売に加え、直販サイトやダウンロード販売も含む。店頭で消費者が買った台数だけと読むのは正確ではない。さらに、本体同梱の『マリオカート ワールド』などはソフトの販売本数には入るが、その売上高はハード側に計上される。本数と金額をそのまま割って「1本当たりの単価」を出すと、集計範囲がずれる。

生活の実感と、決算の区切りへの反応

海外掲示板Redditには、決算報道を受けた異なる角度のコメントがあった。以下は2人の個別の投稿の要旨で、購入者全体や市場の代表値ではない。

  • IAmActionBearの投稿は、米国の自分の周囲では物価上昇で家計の余裕が減り、Switch 2に使えるお金が少なくなっている、という実感を述べている。匿名の経験談であり、今回の販売減の原因を実証するものではない。
  • Snakestaの投稿は、まだ公表された数字のない新作の業績までは報じられない、と指摘している。今後への期待と、すでに締まった期間の実績を分ける視点だ。

今回の中間決算が集計するのは9月30日まで。11月に出るゲームへの期待を持つことと、その発売後の売上が今回の数字に含まれていないことは、分けて考えたい。「増益か減益か」を読むときは、まず利益の種類、対象の月、前年との比較条件をそろえる。それだけで、反対に見えた数字の関係が見えてくる。

確認範囲:11月5日発表の任天堂公式資料と、第1四半期資料に基づく計算。将来の販売や株価を予測する記事ではありません。写真は2025年の本体資料写真で、今回の説明会を撮影したものではありません。

公式発表と個別反応の出典 →
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